相続が発生した場合、相続税の申告・納付は原則として被相続人の亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
しかし、申告が漏れていたり、意図的に申告しなかったりした場合には、ペナルティ(加算税や延滞税など)が科される可能性があります。
本記事では、相続税を申告しなかった場合にどのようなペナルティがあるのかを解説します。
相続税の申告義務とは
相続税の申告義務は、すべての人に発生するわけではありません。
通常、相続した財産の合計額が「基礎控除額」を超える場合は、相続税の申告が必要になります。
基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で算出されます。
たとえば法定相続人が2人の場合、基礎控除額は4,200万円となります。
相続財産がこれを超えている場合には、相続税の申告と納税が必要です。
また、申告期限は被相続人の亡くなった日の翌日から10ヶ月以内です。
申告期限を過ぎるとどうなる?
申告期限を過ぎてしまった場合、税務署から連絡が来る前に自主的に申告すれば、ペナルティは軽減されることがあります。
一方、税務署に指摘されてから申告した場合には、重い罰則が科される可能性が高くなります。
無申告によるペナルティ
無申告によるペナルティは以下の3つです。
無申告加算税
無申告の場合にまず科されるのが「無申告加算税」です。
これは、本来の税額に対して一定割合を上乗せして課税されるものです。
税務署の指摘前に自主的に申告すれば5%、指摘を受けてから申告すると15%〜30%の加算税が科されます。
延滞税
申告が遅れた場合、納税も当然遅れることになります。
そのため、納期限の翌日から納付日までの日数に応じて「延滞税」が発生します。
延滞税の税率は年によって変動しますが、現在(令和7年度)は年2.4%(納期限の翌日から2ヶ月を超えると年8.7%)の割合で加算されるため、放置するほど負担が大きくなります。
重加算税
意図的に財産を隠したり、虚偽の申告をしたりした場合など、悪質と認められる場合には「重加算税」が科される可能性があります。
これは無申告加算税に代えて科されるもので、税額の40%が追加で科される非常に重いペナルティです。
まとめ
相続税の無申告は、重大なペナルティにつながるリスクがあります。
特に悪意がなくても、申告漏れや遅れによって高額な加算税・延滞税を科される可能性があります。
申告が必要かどうか判断がつかない場合は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。