マンションを相続する際、その評価額は現金や土地とは異なる独特の計算方法で決まります。
評価の仕組みを理解しておくことで、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
本記事では、マンションの相続税評価額の計算方法と主な節税対策について紹介します。
マンションの相続税評価額の計算方法
マンションの相続税評価額は、建物部分と土地部分に分けて以下のように計算します。
建物部分の評価方法
建物部分の評価は、毎年市町村が発行する固定資産税課税明細書に記載された「固定資産税評価額」を基準に行います。
この評価額は、一般的には築年数の経過とともに下がっていきます。
土地部分の評価方法
マンションの敷地部分(共有地)の相続税評価額は、敷地全体の評価額に持分割合(敷地権割合)をかけて按分して求めます。
敷地全体の評価額は、基本的には「路線価方式」で計算されます。
路線価方式とは、市街地に面する道路ごとに国税庁が公表する「路線価(1㎡あたりの単価)」をもとに算出する方法です。
区分所有補正
令和6年1月1日以後に相続や贈与によって取得した居住用の区分所有財産(分譲マンション)については、建物および土地それぞれの評価額に「区分所有補正」が適用される場合があります。
これは、タワーマンションなどの高層物件の相続税評価額が市場価格に比べて過度に低く、不公平な節税が生じていたことを是正するために導入されたものです。
なお、高層マンションに限らず中低層のマンションも補正の対象となっています。
マンション相続における節税対策
マンション相続における節税対策としては、主に以下が挙げられます。
小規模宅地等の特例
被相続人が住んでいた居住用マンションで一定の条件を満たす場合、「小規模宅地等の特例」によって土地評価額を最大80%減額できます。
この特例は、被相続人と同居していた相続人などが対象となるため、生前から条件を確認し、適用できるよう準備しておくことが大切です。
賃貸マンションの活用
被相続人が所有するマンションを他人に賃貸していた場合、そのマンションは「貸家」や「貸家建付地」として評価され、相続税評価額がさらに下がります。
賃貸用不動産は自宅よりも評価が低くなる傾向があり、有効な節税対策の1つです。
まとめ
マンションの相続税評価は、建物・土地に区分してそれぞれ評価を行います。
令和6年から導入された区分所有補正により、タワーマンションを中心に評価額が上昇する可能性があります。
マンションの相続についてお悩みの場合は、お気軽に当事務所までご相談ください。







