事業活動で得た利益に対しては、法人税や所得税といった税金を納める必要があります。しかし、適切な節税対策をおこなうことで納税額を抑えることができます。現在ではさまざまな税制などがあるため、それぞれの税制をうまく活用することが非常に重要です。
そこで今回は、税金のなかでも法人税に注目し、法人がおこなうことができる節税対策について解説していきます。
節税対策は、事業者にとって非常に重要ですが、過度の節税対策は資金繰りを悪化させてしまうことや、脱税となってしまう場合もあるため、適切な節税対策について併せて確認していきましょう。
▼節税対策にはどのようなものがある?
節税対策はさまざまな方法がありますが、ここでは比較的容易な節税対策をいくつか紹介していきます。
①倒産防止共済の活用
倒産防止共済は取引先などの倒産に備えることができる共済制度です。倒産防止共済の一番のメリットは支払った掛金がすべて損金処理できることです。経費が増えるということは利益が減るということであるため、最終的な税額を抑える効果があります。
月々の掛金については5,000円から20万円までとなっているため、
たとえば、満額の掛金を支払った場合、240万円(20万円×12カ月)を経費に計上することができます。
ただし、解約する際には受け取った金額すべてを収入に計上する必要があるため、解約するタイミングなどには十分な注意が必要です。
また、融資の面でもメリットがあります。取引先が倒産した場合など、一定の要件を満たしている場合は「共済金の貸付」というかたちで融資を受けることができます。
②短期前払費用の特例の活用
前払費用のうち、支払った日から1年以内に役務の提供を受ける費用については、一定の要件を満たしている場合に限り、損金処理することができます。(短期前払費用の特例)
一定の要件は次のとおりです。
・前払費用であること
・毎期継続的に同じ経理処理をおこなっていること
・収益の計上と対応させる必要がない費用であること
上記の倒産防止共済についても、短期前払費用の特例を適用することができるため、たとえば、満額の掛金としている場合、480万円(20万円×24カ月)を損金計上することができます。
③中古資産の購入
中古資産の場合は、新品の資産よりも耐用年数が短くなるため、1年に計上できる減価償却費に計上できる金額が大きくなります。ただし、不用な資産の購入は資金繰りの悪化などを招く恐れもあるため必要なものだけを購入するようにしましょう。
節税対策は上手く活用することで非常に大きな効果を得ることができますが、多くの節税対策は一時的なキャッシュアウトが伴うため、資金繰りに注意しなければなりません。また、過度の節税は脱税となってしまう場合もあり、脱税となってしまっては罰金などのペナルティが発生する場合もあるため、慎重に検討し、実行する必要があります。
どの方法が自分たちにとって有効であるかについては、専門的な知識を必要とする場合が多いため、効果の高い節税対策をおこないたい場合は、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。
成田正己税理士事務所では、横浜市戸塚区、泉区、栄区、鎌倉市、藤沢市を中心にさまざまな地域の税務相談に対応しております。「所得税」や「法人税」、「相続税」や「海外問題」などの税務以外にも、会社設立サポートや起業サポートなど、さまざまな相談を個人、法人を問わず承っております。税務や経営について少しでも不安や疑問のある方など、まずは気軽にご相談ください。
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